退院しました。
もう1ヵ月以上も前の話ではありますが。
ああ、退院したともさ!(嬉しさのあまり、ケンカ腰)
今となっては焼肉屋で、
「タンとハラミと上ロースと、あと……
センマイ!」
ってこともなげに注文出来る身分にまでなりましたさ。
ああ、なりましたともさ!(喜びのあまり、ケンカ腰)
ども、キクチです。
あれですね、
全身麻酔って、思ったよりもあっけなかったのね。
それが少し残念だったのね。
もっと、なんつーか、
「なんちゃって死ぬ瞬間」みたいなものを想像してたんだけど、
(例えば、テレビの電源をぷちって切るような感じで、意識がなくなるのかなって思ってたんだけど)
意外にスヌージーというか、ちょっと急勾配の下り坂を、スケボーの上に腹ばいになって、「どがんかせんといかん!」とか何とか言ったり言わなかったりしながら、ひゅううううって下っていくような感じで意識失って、気がついたら全部終わってたみたいな、
なんか、高校生における「初体験」を懐かしく思い出させるあっけなさだったのね。
そ~れが、す~こし、残念だったのね~。
その後の経過は良好です。
途中で一回、
「完治と呼ばれる富士山」の四合目くらいのことろで、思わず見切り発車的に酒を飲んじゃって、
せっかく引きかけてたほっぺたの腫れが、
「あ、そうそう、言い忘れてたけど……」ってノリでぶり返すという目に遭い、
そのことには、ここ数年来で一度あったかなかったくらいに、自己嫌悪に陥りましたね。
「♪アルコール消毒、アルコール消毒♪」
って言いながら酒飲んでんだもん。
バカ。もうね、バカ鬼呼ばわりですよ、自分を。
そのバカさ加減を「一生味わいたくない痛そうな体験」に置き換えると、
「チェーンソーで鎖骨をガリガリと切断、なおかつ、ゆっくりゆっくり」クラスですよ、ほんと。
あ、そうそう。
あと、入院中、久しぶりにテレビをガンガン観てたんですが、
なにあれ、ユッキーナって?
あと、マリエって何?
例えば「ユッキーナ」的要素のどの部分に、我々は反応し、かつ、エンジョイすればいいわけ?
「マリエ」っていう概念、どう咀嚼すりゃあいいわけ?
♪な~んてことを思ってみたりもしつつ♪
あと、入院中、村上春樹の「1Q84」を読んでたら、年配の女の看護師さんに、
「それ、話題のやつでしょ? 面白い? ミステリー?」
って聞かれたのが、なんかすごく印象的でした。
いや、まあ、どうだっていい話なんですが。
あと、全身麻酔と共に、
生まれて初めて
カテーテルってやつも体験しました。
まさか自分が生きているうちに、尿道なんてところに物を差し込むことになるとは、想像だにしてなかったし、
また、そのカテーテルを抜く時に、若くてちょっと可愛らしい女性看護師さんが、
「これ、せーのって合図して抜いたほうがいい? それとも、黙って、えいって抜いた方がいい? ……とかなんとか言ってるうちに、抜いちゃった、へへ」
みたいなことを、可愛い仕草で言うもんだから! 駄目じゃん! カテーテル中に! そんなこと! もたげそうになっちゃうじゃん、にょきっと! キュンってなっちゃうじゃん! なっちゃったら……思わず、なっちゃうじゃん!
よく分からんけど、
カテーテルを経験した後と前では、
自分の中の「強さ」の部分が、少し成長したような気がしないでもありません。
まあ、何やかんやとありましたが、無事退院。
おそらく今、キクチは、
「完治という名で呼ばれる富士山」の七合目あたりにいるかと思われます。
「富士山」って全部で八合目だったよね?
そこんところが、いまひとつ分からん次第なのでありました。